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【流転の世の浜辺にて】 綱吉と雲雀

√1827で配布したペーパーに載せたシナリオ。

未来編終了後、イタリアでの綱吉と雲雀。

ト書きと台詞のみで読みにくいですが『つづきを読む』より、どうぞ。


--流転の世の浜辺にて--

イタリア。ボンゴレ本部から程近い浜辺。沢田綱吉―彼の血族の歴史を見つめてきた海。
黄昏時。風と寄せては返す波の音。
浜辺に佇む綱吉。彼はしばし思考にまどろむ。

目を閉じれば、白蘭の後ろ姿が浮かぶ。
そちらを見つめていると。ユニがそっと歩みより手を強く、しかし包むように握る

目を開ける綱吉。後ろから雲雀が訪れる。

ツナ「総て…終わりましたね」
雲雀「……。終ったなんて思ってないくせに」
ツナ「は…、いやだなぁ雲雀さん。(自嘲気味な表情を変え)……総てが無くなってしまうよりはと覚悟したはずなのに、計画の為に出た犠牲を知った今、オレに出来ることはやるべきことはと…」
雲雀「そう」
ツナ「ユニたちの犠牲は大きい。それにもう繋がらない未来の為に沢山の傷を負った過去の自分達を思えば…。結局力不足の自分の責を押し付けてしまっただけだ。そう思うだけもおこがましいことをオレはした」
雲雀「僕はこちらに来た10年前の僕が羨ましくてしょうがないな。幕引きを取られたみたいで。」
ツナ「雲雀さん!」
雲雀「過去の僕もそうだよ。ここに来たって自分のやりたいようにした。ただそれだけと思ってる人間もいるってことさ」
ツナ「……」
雲雀「でも君や過去から来た小さな君はそうじゃないんだろうね。大空というのはやっかいだ、総てを包んでしまうから。白蘭もユニも君も己が望む世界を包み飲み込むことに自分すら捧げるところは変わらないんだろう」

雲雀、綱吉よりも更に波打ち際に近づいていく。靴を濡す事はないが、間際まで進む。

雲雀「君の望みがまた僕を沸き立たせるものなら、また共犯者にでもなってあげるよ」
ツナ「…大空は欲張りにできてるんですね。オレは何も取りこぼしたくない。この世界に人知を越える力があるのなら、ユニたちを取り戻す可能性はゼロじゃない」

雲雀の横に並び来る綱吉。瞳は地平線を見つめる。

ツナ「オレはどんな業を抱えたってそれを突き止めたい!」
雲雀「……そう。じゃあ行こうか」
ツナ「はい」
雲雀「ここはもうじき潮に満ちる」
ツナ「ええ、いきましょう。…潮騒の送り声が駆り立てる方へ」

二人、海を背に歩き出す。
表情が隠されるように、日が落ちる。





小説未満のシナリオを読んで頂き、有難うございました。
未来編終結後後の二人が書きたかった。




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